クリニック ちくさヒルズ

理事長ブログ 名古屋クリニック

干物とエビせんべい

我が家には、干物かエビせんべいが必ずある。両方とも吉良町宮崎の店で購入したものだ。私が、奥さんと結婚するより、はるか前から、奥さんが実家で食べていた食材で、奥さんにとって、ご飯の次に当然存在するものらしい。私がびっくりしたのは、奥さんがエビせんべいを割って、アツアツのご飯にのせ、醤油をちょっと落とし、茶漬けにした時である。「ご飯のおかずなんだ」と思い、妙に納得した記憶がある。確かに
干物もエビせんべいを絶品で、よそではお目にかかれない代物である。干物の両横綱は、メジロとエソである。メジロという魚は、姿形はアナゴに似ているが、脂ののりが、全く違い、圧倒的にうまい。寿司屋や魚屋でも、違いを知っている人に出会ったことはない。
しかし、全く違う魚である。エソは、白身の魚であるが、干物以外では食べられないそうで、生にお目にかかったことはない。エビせんべいは、直径10cm大で、エビの量で、普通と高級がある。高級は、少し柔らかく、そのまま食べると、ネチャとするので、通常炙るかレンジでチンとして、ドライにして食すると風味が違う。このような食べ物が、我が家に常時ある。というのは、なくなるとすぐに、宅急便で取り寄せるからである。アーサーは、エビせんべいで育ったせいか、この食べ物には目がない。大抵奥さんとアーサーとふたりで一袋空けてしまう。私の口に入るのは、滅多にない。三河湾には、いろんな海産物があるが、常時あるのは、この二つである。そうそう。干物は、宅急便で届くと、直ちに冷凍保存する。サランラップで一つ一つくっつかないようにラップするのであるが、ラップ方法にもコツがある。このように大事に大事にしている食材であり、我が家独特の習慣でもある。

クリニック ちくさヒルズ 院長
林 衆治

うさぎ島が欲しい

西尾市幡豆町のすぐ沖合にウサギ島という小島がある。もともとウサギ島、猿が島がぺあになっており、名鉄が遊覧船で島巡りに使っていた。お客さんがいなくなり、今では島は放置されている。奥さんが、この島を欲しいという。東幡豆の港から船で行け、適度な大きさであるのが良いらしい。この島は、実は干潮の時、陸と繋がる日時が一年に一度ある。その時は、陸から歩いて島に渡ることができる。また、陸と島の間は、全然波がなく、カヤックでも行き来できる。この島を手に入れて、小さな家を作り、皆を呼んで、バーベキューでもやりたいらしい。そこで島の持ち主を調査してもらった。近隣の不動産屋を通してである。すると、東幡豆漁業組合が、島を保有していることが判明した。この島の周りは、アサリ取りの好立地で、春には多くの客が来るようだ。実際、アサリ取りのシーズンには、この辺りは車が大渋滞する。アサリといえば、1番梶島、2番篠島、で3番が東幡豆である。余談ではあるが、今年のアサリは、不漁であり、梶島のアサリは、蛤の何倍もしたのである。結論で言えば、島の購入はできないが、無料で使うことはできるようである。しかし奥さんは、この島を保有することに意味があるらしく、無料使用には全く興味を示さなかったのである。

クリニック ちくさヒルズ 院長
林 衆治

老いるということ

私は、昨年65歳になった。
65歳は、医療従事者的には、退職し、第二の人生を歩む年齢である。
私の中学高校は、中高一貫という学校で、 200人程度が一学年である。
この学校の東海地区同窓会が毎年あるが、一般企業では、 60 歳定年で、 60 歳になったら、やることがなくなった同級生が多くいた。
その点、医者は定年になっても、どこかアルバイト勤務やらなんやら仕事があり、何もやることがなくなってしまうということはなさそうである。
60台になれば、大抵の人たちは、どこそこ体の調子が悪くなる。特に、足腰と頭は確実に年齢とともに弱くなっていく。足腰で言えば、変形性関節症や脊柱管狭窄症などは、雑誌やテレビでもお馴染みの病名である。若い頃は、好きなように走り飛び跳ねていたものであるが、最近は足を引きずるように、どうにか歩ければ良い方である。腰も慢性的に痛みがあり、朝はベッドサイドに腰をかけ、下半身に力を集中して、一気に立ち上がるのである。このようにしないと、1日が始まらないのである。
過日、ある食事会があり、隣の席の知り合いが、最近脊柱管のオペをしたらしい。パーキンソンを持っている人であるが、ある日全く足が前に出ていかなくなったのである。医者に診てもらうと、脊柱管とのことですぐにオペとなったらしい。
「私と同じですね。私もロンドンに出張中に同じ症状になり、はうように日本に帰ってきてから、検査して、脊柱管と言われました。それからブロック注射や針治療、ヨガなど色々やって、今はなんとかテニスをやれています」と、言ったら、目を丸くして、「良くなったのですか」と驚いておられた。
会の終了時に、知り合いの整形外科の先生に、「すぐにオペをやるやつはいるか?」とえらく怒られていた。
脳といえば、認知症は徐々にではあるが着実に進んでいるように思う。昨日の夕食が何か、思い出せないことはよくあるし、約束を忘れることもたびたびである。日頃、何種類もの薬をのんでいる、せいでもあるが、中枢神経機能は明らかに劣化していると思う。とはいえ、それは記憶や行動に関するもので、逆に情動に関する機能は、以前より浮き沈みが大きいのではないか、と思う。つまり抑制が効かないのである。最近興味ある経験をした。
夜中に突然目が覚めた時のことである。目を閉じると天井が迫ってくる感じがして、呼吸が苦しくなるのである。息はできるのであるが、圧迫感がある。考えてみると、翌朝朝早く起きねばならない用事があり、そのことが眠る時から気にかかっていた。どうしたものか考えた。とりあえず台所へ行って、牛乳をいっぱい飲んだ。その後ベッドにもたれて、呼吸法をやり、心が落ち着いたところで、アレクサから「瞑想の音」を呼び出した。「瞑想の音」が聞こえてくると、次第にリラックスし、眠りに入る準備ができてきたのである。
脳の様子は、加齢とともに変化しているようであるが、この変化を客観的に分析できると、脳研究につながるかもしれないと考えている。

クリニック ちくさヒルズ 院長
林 衆治

ポストコロナのイノベーションと日本経済

21/7月末のFDAの発表によれば、世界経済の成長率は、アメリカと欧米が7%強、中国が64.8%(4月予想は、6.8%)、日本は、2.8%、ポストコロナによるv字型回復による成長率が予想されている。成長率の比率は、ワクチン接種の普及率と一致する形で、世界各国の数字が予想されている。日本の世界に対するGDPの占める割合は、世界を百とし、1994年には、17.9% 、2021年は、5.8%となり、30年間で三分の一の経済力になることが示されている。
Developmentが、人間の幸福度と一致するとは言えないが、2030年に向けて、SD(持続可能な開発) 豊かな国に暮らすことを、多くの人は歓迎するだろう。豊かさを生み出すものが、SDで表されていると言える。SDには、DXとgreenが代表される。実は、この根本には、医療、防災による人間の生命と安全をイノベーションすることが重要で、fundamentalに、どうこの分野をSDするか、持続的な開発をできるかが極めて重要であると考えられる。この点を考えることがポストコロナを体験した世界が目醒めた経済の方向性と言える。

クリニック ちくさヒルズ 院長
林 衆治

奥様との日課

65まであと2ヶ月となり、11日には結婚39年となった。
同級生たちはだいたい定年となり、年金生活の人間もいる。
来年結婚40年ルビー婚というらしい。
これまで奥さんについてほとんど物に書いたことはないが、この際奥さんについて書いておくことにした。記憶に残っていることはたくさんあるが、私は忘れっぽい方であるので、書き留めて読み返すことができるように、という理由である。
結婚39年であるが、その間36年程度は犬と一緒である。最初はピヨピヨという名前のメスである。この犬は、私が入っていた西尾ローンテニスクラブで拾われた仔犬をもらってきて飼っていた犬である。柴犬の雑種で、気の強い女の子という感じであった。この犬を買い始めて、間もない頃、寺部の海岸に遊びに行った時のことである。30センチくらいの幅のコンクリートの壁の上を歩いていたところ、後ろからちょろちょろついてきたピヨピヨを、誤って蹴り落としてしまった。一瞬死んでしまったか?と慌てたが、すぐ起き上がったため命には別状なかった。その代わり、うしろあしに怪我をし、以後何かあると足が痛むようであった。そうではあるが、西尾の家では、時々蛇と格闘し、噛み殺していた。
このような激しいところがあったが、私たちには至って優しいいい犬であった。
次の犬はカールというゴールデンリトリバーである。この犬はオスでおっとりしていた。川名山から高峯町へ移ってくるきっかけの大きい理由として、奥さんの眼が悪くなりつつあったことであるが、ちょうどその23ー25年前に、高峯町の真新しい家にやってきたのである。
ピヨピヨが交通事故で死に、犬が不在になっていたので、名東区にあったスマイルという犬屋さんを覗きに行き、彼に遭遇した。7ー8ヶ月ぐらいであったと思うが、賢そうでお尻のしまった彼を選んだわけである。2ー3歳になるまでは、悪戯で、ピッカピカのフローリングとか、ガラス戸の木の淵など、木のものは、あたり構わず噛んでいた。歯が尖っていて、むず痒い頃にはよくあることである。私の手もカールに噛まれて、しばらく痺れが残っていたものである。
この犬は、去勢をしたのであるが、そのためか他の犬が、クンク匂いを嗅いで、オスかメスかを確かめるのである。すると、カールは、中性であるので、「なんだこいつは中性か」といった感じで、バカにされるのか、バツが悪そうな顔をする。そのため、その後ポアロ、アーサーは去勢することをやめたのである。犬にもアイデンティティーというものがあり、性別は、犬の自我確立に必要なものなのではないかと感じたからである。
とはいえ、カールは、温厚な性格で、奥様のママは、彼のことをいたく可愛がってくれた。彼もママの足元で眠るのがいたくお気に入りで、大抵その場で過ごしていたのである。この犬は、10歳を過ぎた頃、ある日突然パタっと倒れて、近くの動物病院に運ばれたが、そのまま死んでしまったのである。私は死に目にも会えなかった。その悲しさから、東京の剥製専門業者のところで半年かけて剥製にしてもらったのである。今でも3階の手前のベッドの上に、ドアの方を向いて座っている。ママの隣のベッドである。
その後に、ポアロがやってきた。
ポアロは、蓼科のフラットブリーダーである北村さんから分けてもらった犬で、生後8ヶ月でやってきた。ちょうど車が新しく白のベンツになり、この車で迎えに行った。そして帰りの途中、後ろの座席で大量のうんちをした。この匂いがしばらくシートから消えなかった。この犬は、トレーナーをやっていた娘と一緒に過ごしていたせいで、よく躾けられており、育てるのに全く苦労しなかった。ボール遊びが大好きで、名古屋大学のグラウンドで、毎日のようにボール拾いをやった。何回もダッシュをし、ヘトヘトになるまでボールを追いかけていた。年齢とともに足は弱くなるので、8歳を過ぎると、あまり長時間走れなくなった。ポアロは、いかにも英国紳士のように頑固で気品があったが、食事の時だけは、違っており、野性に帰るのである。このギャップが、動物らしいといえば動物らしいのであるが、ヒトの気持ちが一番わかったのもポアロであった。
奥様が悲しんでいる時、辛そうにしている時には、必ず奥様のそばに寄り添って、「ママ、僕がいるからね」と、言っているようであった。奥様も、ポアロのことを心から信頼していて、ポアロにいつも話しかけていた。
奥様は、ママから全てのことを教わったらしく、いつもママを手本にし、ママならどうするか?と考えて行動しているようである。さほどママの影響は強いのであるが、奥様のママは、いわゆる才色兼備という人で、幼稚園の園長先生をやりながら、奥様を育てた、キャリアウーマンである。我が家のパーティーには、色々な人たちが来るのであるが、ママは誰とでも、ごく普通に談笑し、討論できる人である。一度ママに会うと、奥様がどのように形成されてきたかが、理解できてしまう、ママである。
私は、奥様に常に助けてもらい支えてもらって、人生を過ごしているわけであるが、全てママが奥様を鍛え上げてくれたおかげである。

クリニック ちくさヒルズ 院長
林 衆治

愛犬習慣

夏になると、我が家の庭には、大きな穴ができる。庭の隅の木に隠れて見えない場所に出現する。最初は、何かな、と思っていたのであるが、ある日 愛犬が見当たらなくなったので、探してみると、なんと大きな穴に入って眠っているのである。夏は、土の冷たさが気持ちいいのである。とはいえ、穴を掘ると、愛犬は、足を土まみれにして、家に入ってくるので、家の中でが土まみれになる。奥さんは毎日掃除をしなければいけなくなる。この習慣は、愛犬の代がかわっても踏襲されているのである。今飼っているアーサーは、もう一つ別の目的で最近穴を掘るようになった。ストレスである。例えば、奥さんが出かけていて晩ご飯が遅くなった時、人が家にやってきてなかなか帰らずに、相手をしてもらえない時、何かで私に怒られたが、自分は悪くないと思っている徳、などなどである。ここまでは、家の中での出来事に対してであるが、外で、例えば散歩に行っているときに、自分が行きたいところに、連れて行ってもらえないときには、座って首を後ろ足で掻いている。この掻く行為を散歩の途中にすると、何か不満があるサインである。この習慣も、思い返してみれば、愛犬共通のものであったと思う。
これらの習慣は、犬の習性なのかもしれないが、犬はしゃべれないので、態度で示すのであろう。いわゆるボディーランゲージである。

クリニック ちくさヒルズ 院長
林 衆治

メロンの魔力

メロンには、1万円を超えるものから数百円のものまで、さまざまである。しかし、メロンを見ると、なぜか襟をただして食べたくなる自分がいる。

先日、京都六盛のハモしゃぶを知人からもらったので、近くに住む先生夫妻を招くことにした。たまたまその日、べつの知人からマスクメロンをもらい、冷蔵庫に保管してあった。ハモしゃぶを堪能して最後に、ハモ雑炊をいただいた。といっても私が調理人である。はてさてデザートは何にしようか、と考えた時、冷蔵庫にあるメロンが頭に浮かんだ。結構大きなマスクメロンで、どのように切ろうかな、とちょっと考えた。ケチっても仕方がないので、思い切って4等分することにした。1人ずつ大きなお皿に入れても、はみ出すほどであった。招いた先生は、ハモしゃぶと一緒に出した冷酒が効いたのか、テーブルでウトウトしていた。もしかしたら、メロンは食べられないかな、と思いつつテーブルに並べた。先生の奥さんが「あなた、メロンよ」と言った瞬間、その先生はガバッと起きて、メロンにむしゃぶりついたのである。「美味しいメロンだねー」と言ったと思うが、いつのまにか綺麗に完食していたのである。

「メロン」という言葉には、不思議な魔力があり、万人を惹きつける。言葉を聞くだけで、あの匂いを思い浮かべて、あの繊細な味が蘇る。何より、メロンの前では、自分は素直になれるのである。

クリニック ちくさヒルズ 院長
林 衆治

カレイを捌く

西浦市場ではカレイを仕入れてきた。このカレイは、処理がしていないので、食べるためには下処理をせねばならない。私は、魚を捌いたことがないので、ネットで色々調べてから、取り掛かった。魚の捌き方には、一応ルールのようなものがある。きちんと捌くには、最低限のルールを押さえなければならない。今回のカレイは、比較的小さめであったので、刺身は諦めて、煮付けとする。綺麗に水洗いをし、神経を切り、ころもをそぎ落とし、内臓を取り出し、準備完了。この魚を、いつもの要領で煮付けする。別に購入した、名前のわからない小さなエビを塩茹でし、殻を剥く。こうして、カレイの煮付けと茹でエビが完成した。ここまでの作業で、結構時間がかかった。ついでに、アナゴの干物も軽く炙り、つまみとした。ゴージャスな晩御飯である。飲み物は、もちろん冷酒。「白鹿の搾りたて」があったので、お猪口で飲む。

こうして無事に晩御飯は終了した。

市場が近いということは、良いもんだなあ、と思ったが、毎日自分で下準備をすることを考えると、いつも出入りの魚屋で出来立ての刺身、おろしたての魚を仕入れた方が、手間がかからないなあ、と思ってしまうのである。

クリニック ちくさヒルズ 院長
林 衆治

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