幹細胞そのものじゃない?上清液が拓く医療の未来
2025/06/13
幹細胞を使わずに再生医療の力を引き出す――幹細胞上清液に注目が集まっています。この記事では、その概要から作用メカニズム、幹細胞との違い、治療分野への応用例までわかりやすく解説します。

幹細胞上清液とは?
再生医療と聞くと、多くの方が「幹細胞を使った治療」を思い浮かべるかもしれません。しかし、近年では幹細胞そのものを使わずに、その培養過程で得られる“上澄み液”に注目が集まっています。これが「幹細胞上清液(じょうせいえき)」です。
この上清液には、幹細胞が分泌したさまざまな生理活性物質――成長因子、サイトカイン、エクソソームなど――が豊富に含まれており、組織の修復や炎症の抑制など、幹細胞治療に匹敵する働きが期待されています。

幹細胞治療との違い
幹細胞治療では、細胞そのものを患者の体内に戻し、損傷した組織を再生させることを目的とします。これに対し、幹細胞上清液は細胞を除去した後の“液体成分”を用いる点が異なります。
- 免疫拒絶のリスクが低い
- 細胞の異常増殖などの懸念が少ない
- 製造と保存が比較的容易
そのため、幹細胞そのものを移植するよりも、安全性の高い選択肢として注目されています。

上清液に含まれる有効成分とは?
幹細胞上清液には、以下のような生理活性物質が含まれています。
- 成長因子(FGF、EGFなど):細胞増殖を促進
- サイトカイン:免疫調整や炎症制御
- エクソソーム:情報伝達や修復作用に関与
これらの物質が組織に作用し、自己治癒力を高める働きをサポートします。

どのような治療に応用されているのか?
幹細胞上清液は、現在以下のような分野で臨床応用が始まっています。
- 変形性関節症の疼痛緩和・機能改善
- 皮膚の若返り(エイジングケア)
- 慢性炎症性疾患のサポート治療
- 認知症、アルツハイマー

当クリニックでの取り組み
当院では、幹細胞上清液を用いた治療にも積極的に取り組んでおります。高い安全性と再生促進効果を併せ持つこの治療法は、これまで手術に頼っていた患者様にも新たな選択肢を提供します。
点滴、関節内注射による投与に加えて、鼻腔内噴霧で投与するスプレーもご用意しております。
慢性的な関節の痛みや、皮膚の衰えが気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ
幹細胞上清液は、細胞そのものを使わずに、幹細胞が持つ「環境調整力」や「修復力」を引き出す新たな治療法です。再生医療の中でも安全性が高く、汎用性のある方法として、今後の医療の選択肢の一つになる可能性を秘めています。
気になる症状がある方や、再生医療に関心がある方は、お気軽にお問い合わせください。
