幹細胞治療とは?再生医療でひざや関節の痛みをやさしく改善
2025/05/30
自分の細胞で治す時代へ― 幹細胞治療が切り開く、再生医療の未来 ―
「階段の上り下りがつらくなった」「注射してもすぐに痛みがぶり返す」「手術は避けたい」
そんな関節や身体の痛みにお悩みではありませんか?
最近では、整形外科の現場でも、手術に代わる“身体にやさしい治療”として注目されているのが「幹細胞治療」です。
まだ耳慣れない方も多いかもしれませんが、この治療法はこれからの医療を変えていく「再生医療」の一分野です。

目次
幹細胞って何? からだの“再生スイッチ”
幹細胞(かんさいぼう)とは、私たちの身体の中にある「自分自身の組織を再生する力をもつ細胞」です。
とくに大きな特徴は以下の2つ:
- いろいろな細胞に変化できる能力(分化能)
- 自分自身を増やせる能力(自己複製能)
たとえば、傷ついた軟骨の組織を補う「軟骨細胞」に変化したり、炎症を抑える「免疫調整因子」を放出することもあります。
つまり、幹細胞は“修復の司令塔”のような存在。年齢とともに減っていくこの細胞を、治療に使うことで、失われた機能の回復を図ろうとするのが幹細胞治療です。

幹細胞治療ってどうやって行うの?
一般的な幹細胞治療の流れは以下のようになります:
- 自分の脂肪や骨髄などから幹細胞を採取 通常は腹部などから脂肪を10〜20ccほど採取します。
- 幹細胞の分離・加工・培養 特殊な施設で幹細胞を安全に増やします。
- 患部への注入(注射) 幹細胞を痛みのある関節などに戻します。日帰り可能なケースも多く、入院は不要です。
この治療では自分自身の細胞を使用するため、拒絶反応や重篤な副作用が起きにくいのも特徴です。

どんな症状に向いているの?
幹細胞治療は、主に以下のような症状・疾患に用いられています:
- 変形性膝関節症(ヒアルロン酸注射では効果が薄いケースなど)
- 肩の腱板損傷・五十肩
- 股関節・肘・足関節などの慢性的な関節障害
- スポーツ外傷(靱帯損傷、半月板損傷など)
- 脊椎疾患、坐骨神経痛の一部
とくに中高年の方で「手術はしたくないが、日常生活に支障が出ている」というケースにおいて、新しい治療の選択肢となることが多いです。

ほかの治療と何が違うの?
比較項目 | 幹細胞治療 | ヒアルロン酸注射 | 手術(人工関節など) |
---|---|---|---|
アプローチ方法 | 自己の幹細胞で修復 | 潤滑作用・一時的緩和 | 痛みの原因を物理的に除去 |
効果の持続性 | 中長期的(個人差あり) | 一時的(数週間) | 長期的(ただし術後リスクあり) |
身体への負担 | 少ない(注射) | ほぼなし | 大きい(入院・リハビリあり) |
保険適用の有無 | ✕(自由診療) | ◯ | ◯ |
幹細胞治療は「根本的な修復を目指す治療」でありながら、身体への負担が少ないことが最大の特長です。

幹細胞治療のメリット・デメリット
メリット
- 自己細胞を使うため副作用のリスクが低い
- 手術なしで身体への負担が少ない
- 将来的に関節の機能回復が期待できる
- 外来・日帰りでの治療が可能な場合も
デメリット・注意点
- 保険適用外(自費診療)のため、費用が高額になりやすい
- 患者さんの年齢や関節の状態によって効果に差
- 医療機関によって技術や実績にばらつきがあるため、信頼できる医師の選択が重要

実際の患者さんの声(一部例)
- 「ひざが痛くて毎日憂うつでしたが、注射の後は数ヶ月で階段の上り下りが楽になりました」(60代女性)
- 「ヒアルロン酸が効かなくなったので試しました。手術を避けられてよかった」(70代男性)
- 「半信半疑でしたが、痛みが軽くなり、週末のゴルフも続けられています」(50代男性)
もちろん個人差はありますが、「治らない」と思っていた慢性痛に対して、新たな選択肢として効果を実感する方が増えています。

幹細胞治療はどこで受けられる?
日本では、厚生労働省の「再生医療等安全性確保法」に基づき、届出を行っている医療機関のみが幹細胞治療を提供できます。
受ける際は、以下を確認するのがおすすめです:
- 厚生労働省への再生医療提供計画の届け出があるか
- 実績や症例が豊富なクリニックか
- 治療の内容・費用が明確に説明されているか
当クリニックでは、18種類の再生医療提供計画を届け出ており、多岐にわたる再生医療の豊富な提供・治療実績があります。
また、ホームページより治療の内容・費用に関する説明がご確認いただけます。
- 18種類の再生医療提供計画を届け出あり
- 膝や腰をはじめとして様々な部位へのPRP治療・幹細胞治療など多岐にわたるメニューの提供
- 豊富な治療実績あり
- ホームページやご相談により治療内容や費用の詳細な説明を受けられる
- より効果的な幹細胞塊治療の提供もあり
- クリニック内に独自のCPC(細胞培養加工施設)を保有し、患者様の状態に合わせカスタマイズ可能な治療をスピーディーかつより低コストで提供可能
まとめ:再生医療は「自分の治癒力」に光をあてる
幹細胞治療は、いわばからだの中にある「治す力」を、医学の力で引き出す方法です。
これまで「年だから仕方ない」「手術しかない」と思われていた症状に対し、少しでも希望がもてる選択肢を与えてくれるこの技術。今後さらに進化し、多くの人の生活の質(QOL)向上に貢献することが期待されています。
「手術は避けたい」「今より少しでもラクになりたい」
そんなときは、幹細胞治療という選択肢について、一度考えてみる価値があるかもしれません。
幹細胞治療をはじめとした再生医療の詳細・ご相談、ぜひ当クリニックにお気軽にお問い合わせください。