院長ブログ 片言自在

33. 異形の木

テレビで樹齢1000年にもなる木の話をやっていた。遠くから見ると、なんとも言えず美しい容貌だそうである。しかし近くによると、その形相は一変する。いわゆる異形なのである。そういえば、太古の森というところは、神秘的な面持ちであるとともに、なんとも言えずおどろおどろしい気をたたえるものである。

私は、蓼科の別荘に愛犬を連れて、たまたま出かけるが、その折決まって訪れるのが、「御柱の道」というハイキングコースである。

名前の通り、諏訪大社の「御柱の祭り」の折に、使われるあの御柱を切り出して運び出す道、だそうである。この道の途中に、御柱を切り出した幹が其処彼処に認められる。

この辺りの空気感が大好きで、いつもボーとして過ごすのが過ごし方である。

この辺りの木々も樹齢何百年というものが集まっており、場所によっては異形と感じられるのである。

樹齢1000年ということは、1000年前には種か苗の状態であったはずである。この1000年間の成長データを今の状態から逆に推測していけば、1000年で種か苗になるはずである。このようなデータをビッグデータとしてAIで解析すると、種から1000年後の状態が推測できるはずである。

このような物語は、narrative storyと言われている。人の歴史を綴るというようなものである。もしも木のストーリーが、種から1000年後の状態を予測できるとするなら人も生まれた時からの一生を予測できるかもしれない。

生き物の今の姿は、生まれた時まで遡ることができ、また逆に今の姿から死ぬ時まで辿ることができる。このようなAI narrative sceinceなるものの概要を考えるきっかけになった「異形の木」であった。

クリニック チクサヒルズ 院長
林 衆治

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