Interview

患者さんが納得して選べる 再生医療を目指して

20年以上にわたり名古屋大学で研究・教育に携わり、研究成果を診療へ活かすことを大切にしてきました。患者さんがご自身の状態を理解し、納得して治療を考えられるよう、保険診療から再生医療まで、考えられる選択肢を整理してご説明します。

林 衆治 医学博士

執筆者:医療法人財団 檜扇会 クリニック名古屋ちくさヒルズ

更新日:2026.06.17

確認:林 衆治 医師

林 衆治 医学博士の紹介画像

経歴

  • 名古屋大学医学部医学科 卒業 医学博士
  • 名古屋大学医学部医学系研究科 バイオロボティクス学講座教授を経て
  • (財)グローバルヘルスケア財団 理事長
  • 医療法人財団檜扇会 理事長

診療時間

  • 水曜日・金曜日:9:00~18:00
  • 木曜日(再生医療のみ):9:00~18:00

診療科目

  • 内科
  • 再生治療

専門分野

  • 消化器外科学
  • 幹細胞治療などの再生医療
  • 肝臓移植
  • 免疫学
  • 遺伝子治療

これまでの研究と臨床

大学卒業後、私は、消化器外科、移植医療、免疫学、遺伝子治療、さらに再生医療の分野に携わってまいりました。外科医として患者様の身体と向き合い、移植医療を通じて免疫の働きを学び、遺伝子治療の研究を経て、現在は幹細胞治療やPRP治療などの再生医療の研究と臨床に関わっています。それぞれは別の分野に見えるかもしれませんが、私の中では一貫して「身体の中で起こる反応を理解し、それをどのように治療へ安全に活かしていくか」という問いがあります。 移植医療では免疫の反応を、遺伝子治療では細胞の働きを、再生医療では幹細胞やPRPが炎症や組織修復にどのように関わるのかを見ていく必要があります。現在、当院で行っているPRP治療、幹細胞治療、PRP融解液治療、幹細胞塊治療も、これまでの研究と臨床の延長線上にあるものです。

再生医療の可能性

患者様の症状、検査結果、病態、これまでの治療歴を確認し、その方にとって本当に選択肢となり得るのかを、慎重に見極めることが大切だと考えています。 幹細胞は、傷んだ組織そのものに変わるだけでなく、患部でさまざまな成分を出し、炎症を抑えたり、組織修復を助けたりする働きにも注目されています。専門的には「パラクライン効果」と呼ばれますが、患者様に分かりやすく言えば、幹細胞が患部で“修復を助ける成分を届ける”ように働くという考え方です。 幹細胞塊治療は、幹細胞を小さな塊のような状態にして扱う治療です。細胞同士が立体的にまとまることで、患部での働きや組織修復への関わりを高めることを目指します。 もっとも、私はこの治療を「どなたにも効果がある治療」としてお伝えするべきではないと考えています。適応があります。リスクもあります。限界もあります。効果の出方にも個人差があります。だからこそ、治療名だけで判断するのではなく、患者様の状態をよく確認したうえで、慎重に検討する必要があります。 私が大切にしているのは、研究を研究のままで終わらせないことです。積み重ねてきた知見を、患者様にとって分かりやすい説明に変えること。治療を急がせるのではなく、できることと、まだ慎重に考えるべきことを分けてお伝えしています。 再生医療という言葉には、期待と同時に不安もあると思います。私は、再生医療を“万能の治療”としてではなく、患者様の状態に応じて慎重に検討する選択肢の一つとして考えています。 まずは現在の状態を正しく知ること。そして、保険診療、保存的治療、再生医療、手術など、それぞれの選択肢を整理すること。そのうえで、患者様が納得して治療を考えられるよう、これまでの経験と知見を少しでも役立てていきたいと考えています。

所属学会等

  • 日本再生医療学会(評議員歴任)
  • 日本外科学会(指導医、専門医、認定医)
  • 日本消化器外科学会(評議員歴任、指導医、専門医、認定医)
  • 日本コンピューター外科学会(評議員歴任)その他多数

研究テーマ

  1. 脳オルガノイドを用いたバイオAIデバイスの研究(再生医療)
  2. 多関節手術ロボット、体内型ムービングロボットの研究(ロボット医療)
  3. キューブサット人工衛星ネットワークによる遠隔医療の研究(遠隔医療)
  4. 埋め込み式再生膵島デバイスによる糖尿病自己医療技術の研究(自己医療)

先生の趣味

  • テニス(中学時代からトーナメントで東海大会名大初)
  • オペラ鑑賞(特にプッチーニが好き)
  • ホッとする時間は、アーサー(フラットコーデット・レトリーバー)との散歩

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